台風や洪水、大雨などの自然災害が迫っているときは、気象情報に注意して、早めの防災対策や避難行動が重要です。
しかし、いざ家から避難所へ行こうとしても、風雨対策の備えがなければ、足がすくんで行動に移せません。
ここでは、毎年のように発生している台風や大雨の防災対策として役立つアイテムと活用法をご紹介します。
事前にハザードマップで危険な場所を把握しておこう
市区町村など自治体が作成した「ハザードマップ」が各家庭に配布されていると思います。
もし、どこにあるか分からない場合は、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で自宅周辺の情報を確認しましょう。
ハザードマップには、洪水や土砂災害、地震災害など自然災害の被害を過去の事例などから予測して、被害範囲を地図化。避難経路や避難所などの情報が示されています。事前に被害範囲を把握しておくことで、迅速に避難ができ、二次災害発生予想カ所を避けるなど、適格な行動をするための有効なツールとなります。
雨・水害対策に役立つアイテム
早めの避難の際に、どのような防災用品を持っていけばよいのか?
ここでは、雨や水害から身を守る装備品を中心に紹介しますので、非常時に持ち出すアイテムについては、本サイト「防災・避難・救助」「非常食」「衛生・救急」などからご確認ください。
さて、風雨の中で避難する場合、想像できるのが傘が機能しないこと。
どんなに風に強い構造といっても、片手が塞がってしまっては、動きづらいのが現実です。
防水仕様のレインウェアやレインシューズ、防水手袋に身を包むのが基本だと思います。
レインウェアの選び方
大雨が降るなかで移動すること、避難場所へ到着してレインウェアを脱いだときを想像してみてください。
単純に思うのが、雨が服に染みこんだり侵入しないで欲しい、時間が経つと汗をかきはじめるので湿気をなんとかしたい、移動中も到着後も濡れたままにしたくないので簡単に乾くようにしたい、できればコンパクトにたためるのがいい〜ということ。
つまり、「防水性能(耐水圧)」「撥水性能」「透湿性能」の高いレインウェアを選ぶのがポイントになります。
まず、「防水性能(耐水圧)」ですが、生地に染みこもうとする水の力を抑える耐水圧の性能数値で選びましょう。
具体的には、登山などのハードな用途にも耐える2万mm以上がベストです。
耐水圧が2万mm(20m)とは、生地の上に1cm四方の柱を立てて、その中に水を入れて20mまでの高さになったとしても、水の水圧に耐えられることになります(JIS規格)。
「撥水性能」は、生地の表面に撥水剤で繊維1本1本をコーティングすることで、水分が生地についても水玉が転がり落ちて、生地が濡れにくくなるものです。
耐久力はJIS規格により、洗濯100回前後における撥水度によって表され、撥水度が高い方がより耐久度も高くなります。また、耐久度が高い方が、摩擦や汚れ、洗濯などによる撥水性能の低下を抑えることができます。
「透湿性能」は、生地1㎡あたり24時間で何グラムの水分を透過できるかを測る透湿度(JIS規格)で表します。
透湿度が高い生地であれば、雨が内側に侵入することを防ぎ、カラダから出る汗や水蒸気を外に逃がす性能が高いことになります。
・MIZUNO アウトドア ベルグテックEX ストームセイバーV レインスーツ A2JG4A01
ミズノ独自の防水透湿素材「ベルグテックEX」採用。
耐水圧3万mm以上(傘の約60倍)、100回洗濯しても水を弾き続ける耐久撥水性、透湿性が約1万6000g/㎡-24hの40dナイロンリップ素材(フルシーム仕様)。 雨返し&フラップ付き(ファスナー部、ポケット口)、軽量コンパクトな フード内収納 約570g(Mサイズ)、持ち運びに便利な 収納袋が付属。
レインブーツ、レインスパッツの選び方
前提として、自然災害時の移動は、スニーカーなど歩いたり走ったり動きやすいシューズを選ぶのが原則です。
避難する際に足元が濡れないようにという考えではなく、身を守り安全に移動することが最重要だからです。
ただ、状況が一定の落ち着きを見せた際には、レインブーツを選択するのはありかと思います。
その際、おしゃれさよりは機能重視。足元の隙間から雨や雪が入り込まない防水性能の高いレインブーツを選びたいものです。特に、足元に水が中に侵入してくると重くなり、歩いたり走ったり、動くことが難しくなるので、履き口が絞れるタイプを必ず選びましょう。
・FIELDOOR レインブーツ 収納袋付 男女兼用
材質:天然ゴム、ポリウレタン、ポリエステル
履き口が絞れ、使わないときは折りたたんでコンパクトに。ダメージを受けやすいつま先からかかと部を補強。グリップ力のあるアウトソールとの組み合わせで、濡れた路面や砂利道などのハードな場所でもしっかり歩くことができます。
レインスパッツは、スニーカーなどを履いている際に、足元から膝に掛けて装着することで雨の侵入を防ぎます。
大雨の際は、パンツの内側に装着して防水性を高め、ぬかるみなどを歩く際にパンツが汚れるのを防ぐ際は外側に装着します。
・adelphos ロングスパッツ
防水・撥水性に優れたナイロン仕様。靴紐に引っかけられる靴紐フックや水や泥などの侵入を防ぐ調節ゴム、足にしっかり巻き付けられるマジックテープ、靴底に巻き付けてしっかり固定するアジャスターなど、ずれや着脱を防いでフィット感が高まります。防水タイプの収納ケース付き。
最後は、バッグカバーです。
防水・撥水効果のあるリュックなどであれば問題ないかもしれませんが、雨が降りしきるなかでの移動は、カラダだけでなくバッグも濡れてしまいます。バッグカバーはそうした上からの雨、しからたの水はねの両方をガードしてくれるので、災害時だけでなく日常生活や旅行などでも活用できます。
ポイントは、前述の通り「防水性能(耐水圧)」です。丈夫な材質と、水の圧力に耐える耐水圧の高いものを選びましょう。
・DOPPELGANGER ウォータープルーフバッグカバー
材質: ポリエステル (裏面コーティング)。耐水圧3000mm。35リットルまでのサイズに対応。
さまざまなバッグ形状に取り付けられ、着脱しないようにカバー背面中央に面ファスナー、カバーの縁にはラバーバンドを装備。後方からの視認性を高めるために、反射素材のロゴがプリントされてます。重量が約140gと軽量でコンパクトに収納できます。
台風や洪水など、風雨が激しい状況では、事前の情報をしっかり把握して行動したいものです。
その上で、避難など外で移動することを想定して、風雨でカラダを冷やさないように、防水・撥水対策を事前に備えておきましょう。